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本当にまた実家に行くつもりなの?
それともただの社交辞令なのか?
私には、今もまだ拓弥さんの真意はわからなかった。
マンションに到着し、お別れの挨拶をし、それぞれ隣同士の部屋に戻った。
ようやく緊張とドキドキから解放され、私は冷蔵庫に入っていたペットボトルの水を勢いよく口にした。
そのままソファに座ると、当たり前のようにいつものボーッと考える時間が訪れた。
拓弥さんは私の上司――
本当ならプライベートで関わることなんて絶対にできない立場の人。
なのに、なぜか今日はわざわざ実家にまで着いてきてくれた。
どうして私と……そして、家族にまであんなに親切にしてくれるのだろう。
もちろん嬉しいけれど、疑問がどんどん湧き出てくる。
「あっ、でも……ちょっと待って。そっか……」
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