K

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休暇が取れない(KYUKA TORENAI)。看護師の勤務は三交代のシフト制、希望の日に休みが取れないと考えても良い。仲間同士で休暇の譲り合いを行うこともある。 有給休暇を申請しても、仲間同士の兼ね合いで通らないこと出せないことも屡々(しばしば)。 今現在、私の病院の看護師は人手不足。私も中々休むことが出来ない。 結婚出来ない(KEKKON DEKINAI)。交際する相手がいても、お互いの生活時間にズレが生じるために二人きりになれることが少ない。これが別離(わかれ)に繋がることもある。 私がそうだった…… 今の私はもうアラフォーのいい年齢だが、このように生活時間のズレが多く恋人がいない(KOIBITO DEKINAI)の状態だ。 運よく結婚出来たとしても、晩婚気味だ(KEKKON OKURERU)、先に給料が安いとは言ったが割に合わないだけで安定した収入を得ることが出来る。 誰かと結婚をして収入を増やす必要性がない程で、一人で生きていくには十分なのだ。 私の場合はもう孤独(ひとり)(KODOKU)で生きていくための貯金はあるために、腹は決めている。 結婚後も、家庭よりも看護師としての仕事を優先しなければいけないために、パートナーや子供とのすれ違いが生ずる。それはやがて離婚にも繋がる場合もある。 家族と患者とを両天秤にかけるならば、釣り合わせるためには「理解」と言う分銅を家族と言う皿に乗せる必要があるだろう。 規則が厳しい(KISOKU KIBISII)。勤務する病院にもよるが、患者さんやその家族に安心して貰えるように清潔感を意識した格好が求められることが多い。髪染め禁止、パーマ禁止、靴下は白、髪は纏められる程度と言った具合である。 御洒落が出来ないからカッコ悪い(KAKKOWARUI)とでも言うべきだろうか。  こんなネガティブな意味のKに覆われながらも、我々看護師は日々一所懸命に看護に従事している。 毎日が過酷ではあるが、続けていられるのはポジティブな意味のKにも覆われているからだろう。  患者さんやその家族に貢献(KOUKEN)することで、感謝(KANSYA)され看護師と言う仕事に喜びを感じることが出来るし、患者さんの回復や赤ちゃんの誕生ともなれば感動(KANDOU)を覚える。 綺麗事かもしれないが、ネガティブな意味のKに包まれながらも、ポジティブな意味のKを数珠のように繋いでいけるからこそ私達は看護師と言う仕事を続けていけるのだ。  私はもう看護師を続けて二十年を超える。ベテラン看護師の域に達しており、看護師長や仲間からも頼りにされ重宝がられている。 長い間、看護師をしているが…… 私が憧れたナイチンゲールのようにはなれていないと思うし、いい歳になった今でも憧れの対象だ。
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