エンジェル・サーチ

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 別に見る義務はないけれど、歓声混じりのオクラホマミキサーが流れてくると、つい視線を向けてしまう。  後夜祭に参加できれば、孤独な俺でもちょっとだけ青春を味わえるのだろうなぁ、と思う。ドラマやアニメに出て来る高校生みたいに。  でも、参加するにはクラスで俺は浮き過ぎている。  クラスメートと会話すると、よくパズルの最後のピースが足りないか、余るような感覚がする。それに俺は戸惑い、相手は微かに傷つくのだ。その繰り返しが苦しくなって、いつしか追い詰められるようになって、一人で過ごすようになっていった。  大人達は、皆それを乗り越えて成長するのだと言う。けれども、俺には大人達の今が成長した結果には見えなかった。ただ感性が鈍くなって無痛になっているだけだ。  ・・・一人は嫌いだ。でも、誰かを傷つけずにいられないのがもっと嫌なんだ。 「陰キャのボッチ高校生が後夜祭に参加するには、魔法使いが必要だな。シンデレラが舞踏会に参加するときにそうだったみたいに」  俺はそう呟いてから、雑念を振り払うために、大きく二、三度首を振る。  さっさと後片付けやるか!  そのときだ。誰かが猫みたいに、するりと教室に入って来るのを俺は目の端で捉えた。
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