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これは、いわゆる【地雷系】ファッションなのでは。
高校で見た夏目とは、外見の印象がかけ離れ過ぎていて、わが目、人違いを疑った。
「人違いかと思った……」
「でしょ?わたしの趣味。かわいい?」
「うん。いえす」
低い声で言った夏目に対して、首もとを指で掻く癖が止まらなかった。少々の困惑を隠せずにいながら、「かわいい」と言って欲しそうに見てくる夏目に応えてみせた。
夏目は、これまた黒い鞄と、それから白い袖や裾の白レースを左右にふりふり揺らしている。
「ゆずるも、いい方向に変わった。眼鏡、いらないの?」
「コンタクトだよ。十分見える」
「わたしは、今のゆずるのほうが良いな」
「ごめん、普段はおしゃれしてないし、眼鏡もかけてるよ……眼鏡のほうが、圧倒的に楽だし」
「同じく。わたしも、普段は眼鏡だよ」
「だよね」
「うむ」
今日はお互い、普段とは違ったオシャレをするために、眼鏡を置いてきたことに、共感の共鳴をした。
しかし、よくよく俯瞰して見たら、自分も黒衣装だなと思う、ゆずるであった。
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