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夏目と水族館に行くと約束したのだからと、自分の体に鞭打って起き上がったゆずる。今日という日までには、頬にできていたニキビも小さく薄くなって、ほぼ見えなくなっていた。
これも、早寝早起き、栄養が整った食事、軽い運動の習慣が功を成したと、ゆずるは一週間を振り返った。
そんな、診断書の書面上は「病人」なゆずるに対して、夏目は申し訳なさそうに、眉尻をちょっと下げた。
「ごめん、無理させてない?」
「いいや、全然そんなことないし、むしろ、元気になれたから、ありがたいよ。こうやって外出すると、気持ちも晴れるしね」
「それなら、よかった」
ゆずるの言葉に安心させられたようで、夏目は、またエビを尻尾までぱくりと食べた。
彼の様態を慮ってか、夏目は、彼を鬱にさせた原因に、言及しなかった。
「お薬とか、もらってる?」
「セロトニンがなんとか、かんとかっていう薬を、処方してもらってる」
「わたしも飲んだことあるよ」
「え、そうなの……?」
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