第45話 降臨

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第45話 降臨

 クラゲのもとで話に花を咲かせた後、夏目と映画を一本見に行った。話題の青春アニメ映画だったのだが、ゆずるの頭は、七瀬のことでいっぱいだった。  夏目と遊んだ後にでも、七瀬に会いにいくべきか……  いったんは家に帰るとして、明日にでも、都内の七瀬のもとに遊びに行ければ、最高だろうと、ゆずるは思った。  明日、日曜日、都内の七瀬宅にお邪魔させてもらうと決意したときには、既に、スクリーンがエンドロールを流していた。せっかく夏目と映画に来たのに、内容があまり頭に入っていなかった……  悩みすぎて、考え込んで、疲れてしまった。  映画館を出るころには、夕日によって空が若干、赤っぽく染まっていた。夜の暗がりが、近づきつつある時刻だ。  別れ際、夏目は、耳打ちするような囁き声で言った。 「わたしは、君とくるみちゃんの恋を、応援しているゾ」 「そういうのは、恥ずいから、やめろ……」 「うむ。では、良い夜を」 「ぐ、ぐっとないと……」
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