いじめ社会の行く末は?

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「…… 白夜さん。繰り返しになりますが、これはギャンブルではないんですね?」 その一言に、白夜は深々と二度程頷きそれを肯定した。 「そう、これは女神と君の接見の儀だ。それを忘れずにトスすればいい。彼女は全てを見てるからね」 スミレは今までのこと、そしてこれからの未来を胸に抱きコインを強く握りしめると、親指でコインを上空へと弾く。 くるり、くるり、くるり―― コインは何度も翻りながら空を飛び、そして重力に従い落下し、地表で数度跳ねて停止する。スミレが祈るように目を強く瞑った時、静寂な時と共にコインは静かに停止した。 「エクセレント! どうやら女神は君に微笑んだようだ」 白夜の拍手の音にスミレがゆっくりと目を開くと、足元には女神が描かれたコインが転がっており、白夜は満足気にコインを拾い再び懐へとしまう。そこで、スミレは体の力が抜けその場にへたり込んだ。 「勝った…… 勝ったんだよね、私」 「ふふ、君はこれで運命を切り拓くためのチャンスを得たというわけだ。ほら、立てるかい?」   白夜はスミレの手を取りスッと立ち上がらせると、着座の時に付着したのであろう土埃を優しく払った。 その手つきにスミレは、先程までとは違いどこか角が取れたような印象を受ける。 「あ、ありがとうございます。なんか雰囲気変わりました?」 「それは当然。君は女神に選ばれた逸材なんだからね。――さて、次は僕の番だ。これから僕は君の魂を取り出し、食べる。そして、僕の加護を得た魂を再び戻すことで契約完了だ。あぁ、怖がる必要はないが、魂を抜かれた人間は人形と化す。だから儀式の間、僕に身を呈すんだ」 白夜はスミレを胸元へ抱き寄せると緊張からかスミレの心拍数が高まっているのを感じ、今までのような作り笑いではない高笑いする。 今までとは違い品がないその笑いに、元の姿に戻ったアオネコがため息をつくと、スミレは白夜の顔を覗きこんだ。
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