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日曜日の午後、おうちカフェしながら雑誌を眺める。ページをめくると、クロスワードパズルが目に飛び込んできた。その横には『懸賞付』の文字。懸賞には興味はないけど、暇つぶしと頭の体操と思い解いていく。案外簡単なクイズ。どんどん枠が埋まっていった。別枠に書かれたAからEのローマ字を埋まった枠から探していく。Aは「も」、Bは「み」、Cは「じ」――「もみじがり」の単語だ。言われてみたら、季節はすっかり秋深しになっている。窓の外を見ると秋晴れの空が広がっていた。視線を雑誌に戻すと、さっきは気にならなかった『懸賞付』の文字が飛び込んでくる。なんの懸賞なのか気になり、クロスワードパズルの横っちょに、申し訳なさそうに書かれた応募方法を読んだ。紅葉狩りで有名な観光地へペアで1泊2日ご招待、だそうだ。行き先は、東京を含め7ヶ所。好きな場所を選べると書いてある。行ってもいいかも。何やら上から目線的な物言いだけれど、その時は本当にそう思った。
さっそくハガキをテレビボードの引き出しから取り出す。懸賞の多くは、インターネット応募が多いが、この懸賞はハガキオンリーだ。今どきハガキなんて面倒だなと思いならが、必要事項とクイズの答えをペンでサラサラと書いていく。仕上がったハガキに向かって拝むように手を合わせる。当たりますように。そして買い物ついでにハガキを投函しようと、秋空が広がる外へと出かけていった。
『クロスワードの懸賞当たりますように』
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