試供品

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 翌日、会社の先輩から告白された。社内でも人気のある人。それに好きな人からの告白を断る理由もない。その場で承諾して付き合うことになった。こんなことなら、もっと素敵な格好をしてくれば良かったと後悔。でも飾らないわたしが好きだと言ってくれたのだから、これで良かったのだと自分で自分を慰める。  その日、会社帰りに待ち合わせて、カフェへ行く。飛ぶように時間が過ぎていく。さっきテーブルに座ったばかりなのに、気づいたら店内は二人だけになっていた。恋って不思議。甘い時間を惜しむように帰路へ着く。  『もっと先輩、彼のこと知りたい』
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