2、忘れた記憶、忘れられない記憶

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「…実は」 そこへ「はい、これお水ね」と女将が、大きめの声で現れ、清見と里菜は、一瞬驚いてその場でリラックスしていた身体を少し強張らせる。手元に持つ黒塗りのお盆からミネラルウォーターの入ったグラスが3人の前へと置かれていく。 「お品はまた持って来ますからね。ちょっと待っとって下さい」 女将はそう言うと、去って行った。  里菜は咳払いをすると。 「…“実は“?何?」 悠佑はようやく2人に話した。 「以前から…その、気になってるって言うか。ずっと好きな人がいるんです」
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