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先週のバーベキューパーティでのこと。
彼氏の淳を妬かせるつもりで、彼の連れてきた男友達のこと、「私好きかも〜」って話しただけなのに。
まさかソイツを、本気であたしに紹介してくるとは思わなかった。
くそ、敦の奴、やっぱりあたしと別れたがってたんだ。
何が、
「あ、ならさ。今度二人で会ってみる?」
だ。
テメー、まさか連れてきた男友達にあたしのこと、俺の彼女だって紹介してないなんて思わなかったじゃん。
後で鬼電かけたけど、アイツ、あたしのこと既にブロ削してやがった。
あたしは泣いた。悔しくて泣いた。
チクショー、アイツ。
発言にかこつけて、あたしのコト切りやがって!
「あの〜…」
「何?!」
あたしはキッと歯を剥いた。
何も知らない敦の男友達は、ビクッと肩を揺らした。
あの場で約束が成立してしまったから、今日、仕方なく映画館に来ている。
この男(ごめん、名前も知らんわ)が見たかったという謎の映画、何か天使が出てくる話。
敦に見せつけるために、あの場でテキトーに合わせていたら、何故だかこんなことになってしまった。
あー、もう。急に体調悪くなったとか言って、帰ろっかなー。
いや。
いっそ、コイツに本当の事を打ち明けてやるか。
敦の悪行をぶちまけて、友達からの評価を落としてやったらスッキリするかも知れない。
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