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その決意が、山村の心にも響いたようだ。
「いいね!楽しみにしているよう!」
山村は嬉しそうな笑顔で応えた。
「それなら、実際に描くときは、見せてくれるよね?」
俺は、ちと小っ恥ずかしかったが、うなずいて応えた。
「ああ、見せてやるさ。下手クソでも笑うなよ」
「大丈夫!どんな絵でも保の思いがこもっていれば、きっと素敵な作品になるよう!」
山村は優しく言い、俺の背中を押すように笑った。
俺はその言葉に、心が温かくなるのを感じた。
そして、早く描いてみてーという気持ちがさらに大きくなっていった。
週末がやってきた。
俺は、朝からそわそわした気持ちでいっぱいだった。
俺に、うまく描けるか…?
不安に思いながらも、観葉植物を眺めていると、少しずつリラックスしていくのを感じた。
俺はカラフルな絵具とキャンバスを用意し、深呼吸をしてからペンを持った。
「じゃあ、いっちょ始めるか」
俺は心の中で決意を新たにした。
描き始めると、あのちっさな植物が生き生きとした色合いを放ち、俺の手が自然に動いていく。
色遣いや形にこだわっているうちに、時間が経つのも忘れてしまった。
その時、山村の声が直ぐ近くから聞こえた。
「わあ!いい感じじゃない?」
山村は俺の隣に、ちょこんと座り、興味深そうに絵を覗き込んでいた。
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