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運命の出逢い
学校の裏側で、冷たい視線を浴び続ける不良の俺、千夜保(せんやたもつ)は、いつも通りの孤独な日常を送っていた。
そんな俺の目に、ある日、明るく笑う山村凌(やまむらりょう)の姿が飛び込んできた。
その笑顔は、まるで冬の冷たい空気を一瞬で温める太陽のようだった。
俺は思わずその場に立ち尽くしたが、山村は俺に気づくと、俺に向かって手を振りながら近づいてきた。
その姿を見て、俺の胸の奥にあった小さな希望の種が、少しずつ芽を出し始めている気がした。
山村が近づくにつれて、俺はその笑顔の奥に潜む真剣さを感じ取り、心が躍るような高揚感を覚えた。
奴が放つ温かなエネルギーは、冷え切った俺の心を優しく包み込むようで、思わずニヤリと笑い返した。
「元気ー?保ー♡」
山村が明るい声で問いかけると、俺は一瞬ドキリとしたが、その呼びかけはまるで他の世界にいるような安心感をもたらした。
俺は自分の心の声に耳を傾けながら、奴に自分の思いを少しずつ打ち明けようと決意した。
俺は少し息を吸い、心の中で言葉を整えた後、穏やかな声で言った。
「実は、最近ちと悩んでいることがあって…」
その瞬間、山村の表情が真剣に変わり、俺に向かってしっかりと目を見据えた。
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