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山村は優しく頷きながら、互いの距離を縮めるようにして言った。
「何があったのか、ゆっくり話してくれればいいよう。僕はいつでも聞いているから」
その言葉に、俺の心の中で少しずつ緊張が解けていくのを感じた。
俺は自嘲気味に笑い、心の奥底にあった不安を口にする決意を固めた。
「実は、最近、ちと将来のことを考えすぎちまって…何をしたいのか、分からなくなっちまったんだ」
その告白に、山村は真剣な表情を崩さず、じっくりと話を聞いていた。
山村は優しく頷きながら言った。
「分かるよう、保ー。誰だって将来に対して不安になる時期があるよう。大切なのは、その中で自分が何をしたいのか、少しずつでも見つけることだと思うよう。試しに、何が好きなのか、一緒に考えてみない?」
その言葉は、俺の心に小さな光を灯した。
俺は少し考え込み、顔を上げて言った。
「俺、昔から絵を描くのが好きだった。だが、今の選択授業とはまったく違うし、どうしていいかわからねーよ…」
山村はその言葉を聞いて、真剣な眼差しを向けた。
「それなら、少し絵を描いてみるのはどうかなぁ?趣味を活かしてみるって、将来の可能性も広がるかもしれないよう」
俺は山村の意見に心を動かされた。
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