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かれこれご飯を探して2時間…
もう僕らはお腹がすきすぎてヘナヘナになっていた。 …もってきたご飯、節約しようかと思ってたけど、やっぱ食べなくちゃだよね…この状況さ。
リュックに手を伸ばし、大きいおにぎりを半分に分け、ミアにも渡す。
「ミッ、ミアアッ!」
勢いよく食べ、1分以内におにぎりを食べ切る。
「よく噛んで食べろって…あああああっ!!? ……世の中こんなやつも…いるんだな……」
次々と味わう度、ママのおにぎりの味も思い出す。あの、優しい笑顔も、暖かい胸も、たまに怒るけど… あああっ!!はやく帰りたいっ!!
「うわあああああっ」
思わず、泣いてしまった。もうすぐ13にもなる年だと言うのに。
「ミィ、ミィ」
ミアが涙を舐めてくれてる。慰めてくれているのだろうか。 時間が経つほど、ママとの思い出が思い浮かんでいく。
「ぅっ、うぐっ、うぅっ、"」
大粒の涙が、有り得ないほど流れてくる。 その度に、ミアが僕の涙を拭いてくれる。
「ミア…ぁ、ありがとぉ…っズビッ」
「ミァ、ミーミィア♪」
だめだ、パパを探さなくちゃ、そのために来たのにこんなことしている場合じゃ…
「ミァ、パパ、探しにぃっ、行くぞぉっ…」
「ミ~ア~っ!!」
すっと立ち、前を見る。 やはり、可笑洞は広い。
僕は…この洞窟から出られるのだろうか。
いや、そんな高望みしないで、出られないと考えた方がいいのかな。
__わからない。 でも、お母さんを待たせては行けない。 お父さんを見つけないと、お母さんが心配してしまうんだ。
「ミア、できるだけはやく見つけるんだよ。」
「ミーッ!」
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