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天使様が現れた。
大空からゆっくりと地上に御降臨なされたのだ。
その御姿は誰がどう見ても完全に天使様であった。
冬のひだまりのごとく温かく慈愛に満ちた輝きを放つ光輪。
流転する万物を顕わすかのような流れる髪。
世界を護る強さとそよ風のような繊細さを兼ね備えた純白の翼。
天使の備えるべきものは全て備えておられた。
その御尊顔にはとても言葉では表せない。
強いて言うならば、天使のような、神々しい、そんな所だろうか。
天使様に比べたら、世界一の美男美女なんて、神様が7日間、徹夜で飲んだくれて、睡魔とアルコールの渦の中、震える手で、テキトーに作ったものであろう。
たった一枚だけ不遜なる者が撮影した写真がある。これは瞬く間に世界中に広がっていった。そして人類は確信した。
本物の天使様である、と。
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