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卵とわたし
ローズは魔女だ。いきなりだが森で大きな卵を拾った。琥珀色のその卵は高さ1メートル横幅が80センチ程ある。小さい子供ならすっぽり入ってしまいそうだ。
ローズがオムレツにしようか、目玉焼きにしようか数日、思案にくれているうちに、突如ヒビが入った。
──ミシッ……。
どうやら、産まれてくるらしい。困った。まだ覚悟が出来ていない。そもそもこれは何の卵なのだ、産まれた途端に襲われて喰われたら洒落にならないとローズは身構える。
杖を盾に卵と向き合うと割れた隙間から二つの金色の瞳が覗き込んだ。
「ナーシーッ」
奇妙な鳴き声を上げて出てきたのは真っ白なドラゴンの子供だった。金色の瞳が興味津々にこちらを見ている。
「ナーシーッ」
ドカドカと近づいて来たと思ったら歩き慣れてないのか目の前でコケた。
「おい、お前、大丈夫か……。」
「ナーシーッ、カプカプ、ナーシーッ」
何を言っているかわからないが口をカプカプ動かしていることから、お腹が減っているのかもしれない。
「ドラゴンって何たべるんだ? 雑食だっけ?」
ローズは急いでキッチンから、ヤギのミルクと干し肉を持ってきた。
恐る恐る干し肉をドラゴンに投げつける。
「ナーシーッ、ナーシー」
干し肉に見向きもしない。
「困ったなー」
ローズはヤギのミルクをコップに注ぐと恐る恐るドラゴンの口元に流し込んだ。
──ゴクゴクッ
美味そうに飲んでいる。尻尾をパタパタ振っていてこころなしか嬉しそうだ。

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