殺意

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 私は夫の亭主関白にうんざりしていた。毎日凝った料理を作れと言われるのも嫌だった。  そのくせ、夫は時々、帰りが遅い。帰りが遅い時は服から女性物の香水の匂いがした。  私が必死で尽くしているのに浮気しやがって。もう許せない。私は夫に対する殺意を育てていた。  ある日、友達と会うから、夕食は適当に食べてと夫に言った。夫は嬉しそうに承諾してくれた。  しかし友達に急用ができて会えなくなった。仕方なく私は早めに帰ることにした。  家に帰ると玄関に女性物の靴が脱ぎ捨てられていた。私はそろりそろりと寝室に近づくと夫と知らない女性が裸で抱き合っていた。  私の殺意が最高潮まで育った瞬間だった。夫は平謝りしていたが許せるはずがない。  数日後、夫は事故に遭って亡くなった。私はやっと夫から解放された。  私は殺し屋に依頼して、事故に見せかけて殺した。私は夫の死亡で保険がおりて大金を得ると、笑いが止まらなかった。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加