2人が本棚に入れています
本棚に追加
小、中、ときに高校時代でも、特に女子は、やった経験もあるだろう。
白い紙に五十音と『はい』と『いいえ』を書き込み、十円玉に指を
置いて、神様か霊を呼び出す遊び、というか、降霊術みたいなもの。
怖がりの私は、小学生の頃から避けていた。
やっているのを見ると呪われる、なんて聞いて、放課後に女子たちが
始めたので慌てて教室から逃げたこともある。
落ちたペンケースも拾わなかった私の背には「あの女、ビビりすぎ~」
という声がして、怖さだけでなく怒りでも震えた。
不気味でリスクも伴うことをして何が面白いんだか。
儀式の途中で十円玉から手を離すと呪われるとか、低級霊を呼び出して
『ころしてやる』と、繰り返されたとか、狐の霊を怒らせて神社に
謝りに行ったなんて話しも聞いた。
それでも誰もが些細で無邪気な意識でやっていた。
「隣のクラスの××くんが好きです、この恋は実りますか?」とか。
「ムカつく子がいます、そいつをこらしめてください」とか。
呪った相手が階段を踏み外して捻挫したと、喜ぶ者もいた。
そんなの、人と人じゃないモノと、どちらも怖い気がした。
かといって私も人のことは言えない。
無機質で勉強ばかりするキャラを印象付けながらも、歪んだ暗黒な感情を
抱え込んでしまったのだ。
もうコックリさんなんて離れるような時期である、高校二年になったとき。
最初のコメントを投稿しよう!