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 そこで、わたしは目を覚ました。  ルシリス……何だか懐かしい名前。  わたしは彼のことを知っている?  否、そんなはずはなかった。これは只の夢だ。  だけど、わたしは、今までに何度も同じ夢を見ていた。そんな確信があった。しかし、その度に、わたしは夢のことを忘れていたのだ。  なのに今回は忘れずに覚えている。  どうしてだろう。  麗華……黒い翼を持つ天使?  彼女と出会ったことが、夢に影響を及ぼしているのだろうか。  ルシリスも黒い翼を持っていた。  麗華とルシリス。二人には何か繋がりのようなものがあるのだろうか。  わたしは夢の中の出来事だと言うのに、麗華とルシリスを、結び付けて考えずにはおれないのだった。
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