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 夢を見ていた。    夢の中で、わたしは緑の草原をゆっくりと歩いていた。  草原には暖かく柔らかな太陽の光が差し、遠くからは小鳥達の軽やかなさえずりが聞こえてくる。  どこまで行っても、のどかで平和な世界。  わたしは幸せな気持ちに満たされながら、歩みを進めて行く。  踏みしめる草は柔らかく、わたしの裸足の足を優しく包み込んでくれた。  わたしは、背中にある白い翼を広げた。そして、大きく二回、羽ばたかせる。  わたしは翼を羽ばたかせながら、軽く大地を蹴った。  すると、わたしの身体はフワリと宙に浮き上がり、青く澄み渡った空へと、軽やかに舞い上がっていった。
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