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小平抹殺任務引き受けた♡
空達と学校を出て今日の出来事を話していた。
伊織はあれから見ていないし、連絡も来ていない。俺もそれどころじゃなかったから気にしてなかったけど、さっき担任の口から名前が出て気になり出した。
あいつ、あの後どこ行ったんだ?
茜達に聞いたら普通に見掛けたらしいけど、それにしても最後のはなんだったんだ?もう声掛けるなとか言ってたよな?
原付俺んちに停めてあるけど、取りに来るのかな?貰っちまうぞ。
「思い出しただけでも腹立つぜ」
「桐原の事か?まぁ考えがあるんだろうな」
「きっといーくんがなんとかしてくれるって♪なんでも出来るんだからあの男は♡」
「どうですかねぇ?貴哉にこんな思いさせるなんてろくな男じゃない気もしますけど」
「いくら早川でもいーくんの悪口は許さねぇぞ?ん?」
「だってそうでしょう?桐原さんがもっとわきまえて行動していればあんな写真も撮られる事もなかった訳だし」
「一理あるな。俺達も何も言わずに共に過ごしていた事には落ち度がある。ごめんな秋山」
「あ、謝るなよ!茜は悪くねぇよ!」
「でもさー、それの何がいけねぇの?好き同士がイチャイチャしてるだけじゃん。何で呼び出されんの?」
「不純異性交遊……いや、不純同性交遊か。一応進学校の端くれだ。変な噂が立つのを避けたがるはずだ。単純に学校側は騒ぎを早く収めたくて二人に責任を取らせて終わらせようとしてるのかもな」
「それムカつきます!貴哉は悪くないですよね?」
「俺に言われても……」
「貴哉もだけど、いーくんも悪くねぇってば」
「そうだ。悪いのは盗撮してばら撒いた奴だ」
「明日から部活が始まるし、顧問や部長に相談してそれらしい人物がいないか探ってみるよ」
「サンキュー!でも無理すんな?茜って友達いないだろ?」
「……演劇部にはな」
「茜に友達なんていりません♡友達だって言う奴いたら教えてよ♡俺が抹殺するから♡」
「あ、一人いるじゃん!七海が!」
「小平か、確かに良く話すようにはなったな」
「オーケー小平抹殺任務引き受けた♡」
「貴哉ぁ?七海って誰?先輩?」
「そうそう。演劇部の二年。小さくてうるさくてチワワみてぇな奴。あいつ初め俺と茜に喧嘩売ってたんだけど、今ではなんか仲良くなったんだ」
「喧嘩売ってた?何で!?俺そんなの知らないんだけど!」
「言ってねぇもん。あんなの敵じゃねぇし、言う程でも無かったんだよ」
「小平……まさかとは思うが……」
「どした?茜?」
「いやほらあいつ、俺達と仲良くなる前は桐原にべったりだっただろ?でもいきなり謝って来たり、バーベキュー大会の時もずっと俺らの所にいたじゃないか……怪しくないか?」
まさかの茜の発言に、俺達三人は顔を見合わせた。確かに、初めはムカつく奴だった。でも茜に誤解されてて、謝りたいってのは本心だった気もするが……
えー、そうなのかぁ?
「小平まじで消すわ」
「湊待て!まだそうと決まった訳じゃない。明日それとなく様子を見てみよう。今電話で聞いても違うと言うだけだからな」
「茜が言うなら待つけどよ~」
違う気もするけど、確かめるだけでも違うか。
その後も俺達は今後について話しながら帰った。
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