ふーん。お前も悪だな

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ふーん。お前も悪だな

 俺はいつの間にか寝ていたのか、起きるとレベル上げをしていたダンジョンの入り口に戻ったパソコンの画面が目に入った。  あちゃー、一人でゲームやってると良く寝落ちすんだよなぁ。そんで負けて入り口でずっと突っ立ってんの。  ん?下の吹き出しマークが点滅してるな。  これは誰かからメッセージが来たって意味だったよな?吹き出しマークを押してみると、前にフレンド登録した冒険家の「ロム」だった。  ロムは本当にすげぇ奴で、あの後も俺達とパーティー組んで難しいダンジョンを一緒に回ったりしてる仲だ。 「こんちにはブラックさん。こんな時間にログインしてるって珍しいですね♪良かったら一緒に周回しません?」  って来てるけど、そのメッセージが来たのは俺が寝た少し後、てか何時だ?  時計を見ると14時を回っていた。一時間ぐらい寝てたのか……  つー事はロムからは一時間前ぐらいにメッセージが来たのか。  俺は今返しても遅いと思ってそのままにしておいた。  スマホの方はー……俺が送った空からの着信と数馬からのメッセージの返事……と、他にも何人かからメッセージが来てた。 「!」  その何人かからのメッセージに、一条もいて俺は驚いて真っ先にそのメッセージを開いた。 「貴ちゃん元気ー?俺は元気なーい。良かったら話聞いてくれないかな?」  俺はすぐに電話を掛けた。  ゲームする前に一条の事を考えていたからか、そんな奴からの連絡に何故か誰よりも優先しちまった。  俺は一条に言いてぇ事がある。  いや、聞きてぇ事だったか?  どっちでもいい。早くあいつに聞かなくちゃ! 『もしもーし♪貴ちゃん?』 「銀髪!」  間違いない。このフワフワした喋り方に声はあの一条だった。  そして俺は慌てながらも聞きたい事を聞いた。 「ブラックキングが出てたアニメって何て名前だっけ!?」 『……は?』  返って来たのは間抜けな一文字だけ。  俺は寝る前にこれが思い出せなくていたんだ。  あのセリフを覚えてた一条なら知ってる筈だ! 「お前ブラックキング知ってるんだろ?なぁ教えてくれよ~!思い出せなくてモヤモヤしてんだ」 『あはは!貴ちゃんてば面白過ぎ~♪いいよ。教えてあげる。てか何で知りたいの?』 「そんなの暇だからアニメ見るからに決まってんだろ!」 『そっか~。謹慎中だもんね~。あ、それなら一緒に見ない?俺そのアニメ全部持ってるよ♪貸してあげるよ』 「マジで!?無料の動画探そうと思ってたから助かるわ♪あ、でも俺外出れねぇんだわ。お前学校終わったら家来れるか?」 『今すぐに行けるよ♪今日学校サボっちゃったから』 「ふーん。お前も悪だな。んじゃあ来いよ。住所メッセージしとくから。あ、ブラックキング忘れるなよ!」  これは大きな収穫だ。パソコンの画面じゃなくてテレビで見れるって事だよな?  俺はすぐに一条にメッセージを送って部屋を飛び出した。  よーし、アニメ見る為に家にあるお菓子かき集めてくっか!  にしても一条の奴話分かるじゃねぇか♪  まさか趣味が合うとはな!  昨日の敵は今日の友ってか?  ん?敵?  そういや俺、あいつの事怒ってなかったか?  確か、空と瑛二が黒幕がどーとか……  あー!あいつ、瑛二に写真ばら撒けって脅した黒幕じゃねぇか!  思い出した!    てかやべーな。住所はもう送っちまったし、あいつ家に来ちまうな……来るなって言っても来るよな?  いや、アニメは置いて帰ってくんねーかな?    まさか敵を自分で招いちまうなんてな。  まぁいっか。本当に黒幕なのか確認してそうだったら追い返すなりすりゃいい。アニメは受け取った後にな。  俺は重大な事に気付いて少しテンションを下げて一条を待つ事にした。
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