第四話(ジョシュア視点)

3/7
前へ
/59ページ
次へ
「お前にそんな権限はない。残念だったな」  ノアが説明を続けた。 「アイヴィーがシャーロット嬢へ話を聞きに行ったら、当の本人はけろりとしていたらしい。知ってたか? 僕たちが遠征に行っている間、シャーロット嬢は、魔物の骨でアクセサリーを作ってブランド展開することを決めたそうだ。目標は、トゥインクル通りへの出店」 「何だって?」  初めて聞く情報ばかりだ。  アイヴィー・ラッセル子爵令嬢は、シャーロットの学院時代からの親友であり、ノアの婚約者でもある。  つまり情報の信ぴょう性が高いというのは分かるが、情報量が多い。  どこから整理すればいいんだ?  もしかしたら昨日身に着けていたネックレスが、魔物の骨でできているのかもしれない。  トゥインクル通りは王都でも一等地だ。  貴族相手に勝算がなければ出店なんてできないだろう。 「こほん。大至急、お前はシャーロット嬢に弁解の手紙を送れ。そして会いに行け。いいな?」 「……ありがとう。恩に着る」 「いいってことよ」  ……ところが。  大至急会いたいとしたためた手紙の返信は、『出店準備で忙しい』というものだった。  いや、ちがう。  正確には、こうだ。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

265人が本棚に入れています
本棚に追加