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『ジョシュア様は騎士団の任務でお忙しいでしょうし、隣国との調整も色々とおありでしょうから、お気遣いだけいただきます。わたくしも今、石畳通りに念願のお店を出すために準備に追われていますの。お互い、夢に向かって頑張りましょうね』
★ ★ ★
いくらシャーロットに会いに行きたくても、騎士団長というのは、簡単に身動きの取れる立場でもない。
俺がようやくシャーロットの元へ行く時間を取れたのは、実際にトゥインクル通りに彼女の店が開店してから数日後のことだった。
話の通り、トゥインクル通りにアクセサリーの店があった。
『ボーン・シャーロット』……どうやらこれが店名らしい。
それにしてもセンスのいい外観だ。美醜には疎いが、センスがいいのは分かる。
シャーロットのこだわりが詰まっているのだろう。
俺は、数時間ほど、外から店の外観を眺めていた。
シャーロットの邪魔をしてはいけないからである。
「ありがとうございます。またご連絡差し上げますわね」
客らしき貴族とともに店から出てきて深く頭を下げたのは、シャーロットだった。
髪の毛をアップにまとめて、服装もすっきりとしたシンプルなワンピースだが、とても似合っている。
可憐さに上品さがプラスされていてとてもいい。
顔を上げたシャーロットが、俺の存在に気づいた。
「あら、ジョシュア様?」
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