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だというのに、ノアが何故俺のことを見つけられるのかは謎である。
「やだよ。魔王を殺したら祟られそうだ」
「そうだな。婚約者と相思相愛の奴は全員呪ってやる」
「馬鹿。お前の説明努力の不備の結果だろうが。責はお前にある」
その通りだ。
俺は言葉に詰まった。
「アイヴィーも心配している。このままお前たちが白い結婚どころか婚約がなかったことになるのはよろしくない。お前、シャーロット嬢のことが好きなんだろう?」
「あ、当たり前だ!」
「だからー、その当たり前が本人に届いてないのがだめなんだって。そこで、僕に考えがある。これは今、貴族女子の間で流行っている香り付きの便箋だ」
ぴらっ、とノアが懐から何かを取り出した。
「ちゃんと言うんだぞ。シャーロット嬢へ、好きだって!」
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