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雲ひとつない快晴です。
お気に入りのカフェのテラス席は川沿い。
穏やかに流れる川面は、陽の光を受けてまるで宝石のようにきらきらと煌めいています。
風も爽やか。
ひとりで過ごす時間は、本当に気楽です。
友人とのお茶も楽しいですが、自分のペースで好きなものを食べられるというのもまた、幸せなのです。
もちろん、護衛の方が遠くから監視してくださっています。
わたくしが自由に過ごせるのは彼らのおかげ。いつも感謝しています。
続いて紅茶も堪能していると、チーフパティシエがわたくしの席に近づいてきて、恭しく頭を下げてきました。
「スタンホープ伯爵令嬢様、いつもありがとうございます」
「とんでもないですわ。こちらこそ、いつも美味しいものをありがとうございます」
わたくしは満面の笑みで答えます。
すると、パティシエも表情を緩めました。
「新作のいちごタルトでございますが、隠し味にお気づきでしょうか」
「もしかして、カスタードクリームが卵黄ではなく全卵で作られているのかしら?」
「よくぞお気づきで! 流石でございます。卵黄のみで作るカスタードは濃厚ですが、――」
パティシエによる新作タルトのこだわりを、ふんふんと頷きながら聞きます。
うんちくを教えてもらうのも楽しみのひとつです。
テラス席はほとんどがカップルで埋まっています。
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