第一話

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「そうですわ。どうして今まで考えなかったのかしら?」  金銀や貴石ではなく、魔物の鱗や骨でペンダントのチャームを作ってみたらおもしろいのでは!?  思い立ったが吉日、というのは元冒険者であるお母様の口癖です。  わたくしはすぐさまレッドダイヤモンド商会へ向かいました。  驚いた顔をして受付係がわたくしを出迎えます。 「シャーロット様、どうされたのですか?」 「今日はお休みではなかったのですか、お嬢様」  わたくしははやる気持ちを抑えて、にっこりと微笑みました。 「えぇ、休日ですわ。ところで研磨された魔物の骨はあるかしら?」 「はい。ちょうど研ぎ師から届いたばかりですが……」 「特上の物を用意してくださる? 新しいビジネスの予感がするんですの」  使用するのは研磨した魔物の骨。  カッターと呼ばれる裁断係に依頼すると、快く引き受けてくれました。 「お嬢様。こんなんでいかがですか?」 「まぁ! すばらしいですわ!」  きゅんっと胸の高鳴る音が聞こえたような気がしました。  わたくしのてのひらには、ハート形のチャーム。  虹色に光るパール、というのが近い表現でしょうか。見る角度を変えると、無限大に色が広がります。 「ふふ……いつまでも眺めていられそうです……」  想像通り、いえ、想像以上です。  わくわくしてきました。
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