【本文】なかみ｜36ページ - 小説投稿エブリスタ

　……やっぱりもう充分だよ。これからは武蘭の人生を歩んでね。　そっと少女の頬に青年は手を添える。「今、なんか悲しい事を考えているだろ。ちゃんと俺は歩瑠夏の中身を見てきたからな、なんとなくわかるんだよ。安心しろ、俺は俺の意思でここにいるんだから……」　へへへっと悲し気な笑い声が、声にはならなくても聞こえた気がした。（おしまい）

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