未知の文明の実現

1/1
前へ
/36ページ
次へ

未知の文明の実現

 遠い昔から現代まで、人類は次々と生活に便利なものを開発してきた。  移動手段を始め、生活家電、空調管理、情報管理……。  そして人類が科学における開発実現可能の限界を目の当たりにした頃、魔法使いと名乗る集団が現れた。  科学と魔法の融合により、夢物語だった未知の文明を実現することに成功したのだ。  その開発された物の一つとして、ひとつの「素材」がある。  魔法とある物質を融合させた「アイ」という素材だ。  コンピューターからデータをインプットすれば思い通りの形や色、温度へ変化する。そうすることで、魔法が使えない一般人も自在に操作することが可能なのだ。  開発された当初「アイ」は高価なもので、消防や災害救助など過酷な環境下で働く者、ご老体や障がい者などの身体的弱者自身の生活や介助業務など、限られた範囲で活用されていた。  しかしその「アイ」の特許が切れ、魔法自体がそう珍しいものではなくなり開発が安易になると、こぞってその素材を活用した一般人向けのアイテムが次々に世に送り出されていった。  生活に便利な物から犯罪に利用されるものまで、様々。  新しい製品が発売されるたび、法規制の見直しや取り締まり装置の開発などが繰り返されてきた。  どのような世の中になっても人間の誰かを思う感情「愛」だけは変わらないことを祈る、そんなお話。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加