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怯えるように体を背けかけた細い肩をシートに軽く押さえると、相手はびくりと大きく体を震わせた。
(こないだの現金コンビニのボロチャリBOY)
確かに、あの時の小綺麗な顔だ。
「お前、何してた」
「バイトで、飲み物、運んで」
「KENのところに行った?」
こく、と震える顎が頷き、再び体がぶる、と震えた。
「あいつ、誰かとヤッてた?」
こく。
「何か、刺激臭感じた?」
こく。
はあああああああ。
「やっぱりな。あんの馬鹿……」
小さく呟いた葉刈は、長いリングだらけの指で、そっと藍人の額の髪を払い除けた。
びくん、と細い体はやはり大きく跳ね上がった。
(α……っ、心臓、壊れそ……)
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん。
全身がどんどん熱くなる。
目の前のαを飲み込みたくて、腹の中が勝手にうねって、ゾクゾクする――……。
(最、悪、……腹の、奥、が、……疼、くっ――……)
はっきり言って、こんなことは初めてだ。
震える指を握り締め、どうにか寝返りを打ってうつ伏せになると藍人は頭をソファシートに擦り付けた。
やばい、もう、頭の中、ぐちゃぐちゃ……。
はふ、と何とか息をして
「腹、痛くない?」
ふる、と藍人が小さく首を振ると、
「そ。……なら、妊娠はしねーな」
葉刈はマスクを取り、ばさ、と上着を脱いだ。
(――え!?)
意識を半分朦朧とさせながら、藍人は目を疑った。
目の前に、超絶イケメンモデルの葉刈颯。の、半裸。
盛り上がった胸と、綺麗に割れた腹。
もともと身長が高く頭が小さいという日本人離れしたバランスの良い体を、どうしようもなく美しく仕上げてしまっている。
……のはずが、何でベルト外して――……すっごいの、出してるんですけど……っ。
さっき見えたKENーJなんぞ比にならないほどにそそり立った、はっきり言って凶器以外には見えないそれ。
体がデカければ、こんなところもこんなにデカくなっちゃうのか?
フェロモンごと藍人にのしかかった葉刈は、ペロリと藍人の首筋を舐め上げた。
(甘……)
そして、葉刈はおもむろに藍人のパンツを下着ごと引き下げると、すでにHeatで濡れてぐちゃぐちゃになっている後穴にひたりとガチガチになった自分を擦り付けた。
「やめ、……っ」
その先を予測した藍人がぎゅう、と目を閉じてひゅ、と喉を鳴らしつつ、逃げるように腰をずらした。
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