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「小鳥ちゃん…どうしよう…小鳥ちゃん…。」
冷静さを保てなかった。
その場に膝をつき、理性を保つのがやっとになる。
もしもこの下に落ちていたら?
小鳥ちゃんの体は脆いからバラバラになっているはずだ。
俺の小鳥ちゃんが原型を留めていなくて息もしていない…死んでしまってたら…
怖い…そんなの嫌だ、小鳥ちゃんがまたいなくなるなんて…
やっと捕まえたのに、俺の元へまた戻って来たのに…
どうしよう、どうしたらいい…?
この下には落ちていないかもしれない、頭では分かっている。
でも見たくはない、この目で確認してしまったらそれは現実になる。
この下に小鳥ちゃんはいない、いないと早く確認したいのに怖くてそれができない。
「小鳥ちゃん……小鳥ちゃん……。」
目を離すんじゃなかった、椅子にでも縛り付けておけばよかった…。
そんな後悔がずっと俺の頭の中を駆け巡る。
それから何時間経ったかは分からないけど、空が暗くなった頃にようやく下を見る決心がついた。
血の匂いはしない、誰も騒いでいない、だから大丈夫だ、小鳥ちゃんは俺を置いて死なない。
また離れ離れになんてならない。
フラフラと立ち上がりベランダからゆっくりと頭を出した。
「はぁ…………あはは…あぁー……。」
自分の腰抜け具合に嘲笑が止まらない。
俺が散々怯えていた小鳥ちゃんの死体はどこにもなかったのだから。
俺は世界一の馬鹿だ、無駄な時間を過ごした。
でもまた振り出しに戻ってしまう。
やっぱりここに小鳥ちゃんはいない。
どうやって逃げたの?どこに行ったの?誰が小鳥ちゃんを手伝ったの?
ベランダにいたのは確実だ。
一人で逃げるのは絶対に無理、誰かが手を貸したんだ。
俺から小鳥ちゃんを奪うなんて…
「殺してやる…。」
俺から小鳥ちゃんを引き離すなんて…。
絶対に殺す…いや…手伝った奴の大切に思っている奴を殺そう。
攫って、死ぬまで体の一部を千切り取り、そいつの誕生日の日に包んで送ってやればいい。
せっかくだから音声も録音して届けてやろうかな。
一年に一回、千切った部分を送れば流石に病んで自殺するだろう。
それでも足りないくらいだ。
小鳥ちゃんを逃した奴は何も分かっていない。
俺がどんなに小鳥ちゃんを愛しているか。
俺は小鳥ちゃんさえ手に入ればそれでいい。
この手の中に落ちて来るならどんな形でも構わなかった。
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