166人が本棚に入れています
本棚に追加
side小鳥
穏やかな日が続いた。
蓮様と会えなくなって、連絡も取れなくなった今、煌牙の家に住まわせてもらっているけど孤独を感じる。
蓮様を好きになったって私には損しかないのに、こんな状況になっても私はまだ蓮様を忘れられない。
少し期待していた。
迎えに来てくれるんじゃないかって、あの後すぐに私を強引に連れ去るんじゃないかって。
でも、そんな事はなかった。
こんな状況になってようやく気付く私も大馬鹿だけど、蓮様は私がいなくても平気なんだ。
虚しくてつらい。
私が落ち込んでいると…
「ただいま。」
「「お邪魔しまーす。」」
煌牙と昴くんと千夏さんの声がした。
私はパッと気持ちを切り替えて玄関へ行く。
「お帰りなさい!」
みんな大きな荷物を持っている。
それもそのはず、西園寺様のお誕生日パーティーは明日から始まるのだから。
煌牙と昴くんはスーツを、千夏さんはドレスを二着持っていた。
ちなみにドレスの一着は私ので、煌牙のスマホを借りて私のクレジットカードで買った物。
安全を考慮して、配達は千夏さんの家にしてもらっていた。
「ありがとう、千夏さん。」
私がそう言うと千夏さんは私にドレスを渡して言った。
「いいのよ、女同士助け合いでしょ?」
みんなお気付き?いい女なんです、この人。
「隊長、スーツどこにかけたらいいですか?」
昴くんが煌牙に聞く。
「あぁ、向こうにかけとく。小鳥も如月さんもドレス貸してください。」
煌牙に言われた通り、私も千夏さんもドレスを渡した。
そして私はずっと言いたかったことを言う。
「みんな…もう準備はできてるの。
早くタコパしよ!!!!」
私が言うとみんな少し笑ってそれぞれに返事をする。
そう、パーティーの前日みんなで煌牙の家に泊まりタコパをして朝ここを出る。
正直、今日が一番楽しみだった。
張り切って朝から生地を作り冷蔵庫で寝かせてある。
私はドレスの事など気にせずがっつり食べると決めていた。
だってこれは、私の初めてのタコパ。
今まで借金に追われて誰かと遊ぶなんて考えれなかったからこの年までタコパなんてした事なかった。
悲しみを紛らわすためにも私は決めてるの…。
今日はこのメンバーの中で一番食べる。
闘志を燃やし、挑んだタコパ。
⭐︎結果発表⭐︎
1位 白狼煌牙 54個
2位 如月千夏 36個
3位 黒井 昴 34個
ドベ 一宮小鳥 16個
そう…私は、惨敗したのだった。
最初のコメントを投稿しよう!