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私が惨敗したタコパから時間は経ち、私は念入りに化粧をしていた。
パーティーだからちゃんと化粧をしないと。
長めのアイライン、ブラウンのアイシャドウに、私のまつ毛が映えるブラックのマスカラ、子供っぽさを隠すためチークは控えめ、仕上げに真っ赤なリップで完成。
こんなにばっちりメイクをしたのは久々だった。
もちろんヘアセットだって抜かりない。
長い黒髪をヘアアイロンで巻いてとにかく大人っぽく。
ハイネックのノースリーブのタイトドレスを着てシックに決めたつもりだった。
「な………何これ………。」
ここで私はネットショッピングあるあるに遭遇する。
間抜けな私はこのドレスの後ろ姿の写真を見ていなかった。
恐ろしい事にこのドレス、背中がばっくり開いていた。
どのくらいばっくりかと言うと、後手でハイネックのボタンを止めたらそこを頂点にするように三角形にばっくり開いている。
腰のところでようやく布に巡り会えるから背中全体が丸見えの大事故ドレスだった。
これはヤバい、背中の脱毛してって誰かに頼んだら余裕でできるくらい背中が開いてる。
私が鏡の前でワタワタしていると千夏さんが入って来た。
千夏さんは真っ赤な髪によく合う赤いドレスを着ていた。
胸元ばっくりだけど全然下品じゃない、私とは違う…。
「あら、小鳥ちゃん。やっぱり美人さんは黒が似合うわね。背中もセクシーでいい感じ。」
え?本当に?本当に言ってる?
「千夏さぁぁあん!!どうしよう!
こんなドレスって知らなかった!!
失敗したぁぁあ!!」
私が千夏さんに縋り付くと、千夏はさん少し驚いたように言った。
「全然失敗じゃないわよ!似合ってるし!
大丈夫よ、小鳥ちゃん!みんなこんなもんだから!」
嘘だ嘘だ嘘だ!絶対嘘だ!
「そもそも、人間の分際で行って煌牙に恥をかかせるかもしれないのにこんな背中を……。」
私が自分の背中を見るために振り返り鏡を見ていると部屋のドアのそばにいる煌牙と目が合った。
「………………。」
ほら、ほらほら!!!煌牙だってドン引きして何も言わないじゃない!!!
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