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第21話
side煌牙
小鳥が背中に黒い画用紙を貼ると言い出した時はどうなる事かと思ったが、如月さんのおかげで今は落ち着き俺たちは西園寺家が用意した専用のタクシーで会場へ向かっていた。
会場は西園寺家が経営しているホテル。
もちろんその辺のホテルとは格が違う。
一泊で俺の年収の半分が飛ぶようなふざけたホテルだ。
芸能人や海外の富豪とにかく金持ちしか利用しないホテルと言ってもいいだろう。
俺の家柄上、何度かこのホテルに来た事はあるが正直好きじゃないし落ち着かない。
理由はざっと二つ。
一つ目は派手すぎて目が疲れる、二つ目は常に監視の目が光っている事だ。
どこから見ているかはよく分からないが明らかに視線を感じる。
俺は子供の頃からこう言った感覚が鋭かったからこのホテルに来るたび不快で仕方がなかった。
そんな昔のことを思い出していると俺のポケットの中のスマホが震えた。
誰からの連絡かと思い確認するとまさかの昴だった。
なんでこの距離でメッセージを送ってくる?
如月 運転手
昴 俺 小鳥
こんな感じで座っているのに。
何か意味があるのかと早速メッセージを開いた。
ーこの車、ドラレコとは別に盗聴器ついてます、発言に気を付けてください。
寝たふりしてた方がいいかもしれません。
如月さんには伝えてありますー
昴は既に隣で寝たふりをかましている。
助手席に座っている如月さんも昴と同じ事をしていた。
どうやって盗聴器を見つけたのか後で聞くとして、西園寺梨花は趣味が悪いな。
車の会話を盗聴して何をする気だった?
それとも、専用タクシーには全て付いていて失言をしたやつを締めて回ってるとか?
いや、さすがにそんな事したら問題になるよな?
この車だけについていると考えた方が妥当だ。
つくづく思う、ヴァンパイアってみんな頭おかしいのか?
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