4/4
前へ
/54ページ
次へ
 ティナとフェルムのやりとりに頷きながらも、どこか釈然としないリュウ。  「まあ、もし万が一、例えば俺がバレて隠しだてもできない状態になったとしたら、それが死刑執行の時なんだろうな。既に死んだことになっているんだから、帳尻あわせしないと」  フッと、どこかあきらめにも似た笑みを浮かべながら、フェルムが言った。  微かに表情に陰りが見えたティナも「そうだね」と頷く。  2人とも何か思いがありながらも口に出せないのか、しばし沈黙があった。  そして……。  ブラッディ・マリーを飲んだティナが、イタズラっぽく笑う。  「もしさぁ、私がPunisherだってバレちゃったら、神代さんに指示を受けた誰かに殺されるのかな? だとしたら、リュウがやってくれる?」  「なっ!?」息を呑むリュウ。「何を言って……」  妙な空気になりかけたが、そこでドアが開き来客があった。まったく無関係な、ビジネスマンらしき男2人だ。  「いらっしゃいませ」  トーンを落とした声で招き入れるリュウ。  ティナとフェルムも、それぞれ自分の世界に入っていった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加