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ティナとフェルムのやりとりに頷きながらも、どこか釈然としないリュウ。
「まあ、もし万が一、例えば俺がバレて隠しだてもできない状態になったとしたら、それが死刑執行の時なんだろうな。既に死んだことになっているんだから、帳尻あわせしないと」
フッと、どこかあきらめにも似た笑みを浮かべながら、フェルムが言った。
微かに表情に陰りが見えたティナも「そうだね」と頷く。
2人とも何か思いがありながらも口に出せないのか、しばし沈黙があった。
そして……。
ブラッディ・マリーを飲んだティナが、イタズラっぽく笑う。
「もしさぁ、私がPunisherだってバレちゃったら、神代さんに指示を受けた誰かに殺されるのかな? だとしたら、リュウがやってくれる?」
「なっ!?」息を呑むリュウ。「何を言って……」
妙な空気になりかけたが、そこでドアが開き来客があった。まったく無関係な、ビジネスマンらしき男2人だ。
「いらっしゃいませ」
トーンを落とした声で招き入れるリュウ。
ティナとフェルムも、それぞれ自分の世界に入っていった。
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