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 しばらく平穏に、それぞれ表の仕事、普通の日々が――本来死刑囚のリュウ達にとってそう言っていいか疑問ではあるが――続いた。  『sea ​​breeze』が休みのある夜、店に久しぶりに集合することになった。リュウはそんな時の常として、カウンターの反対側にモニターを設置する。  セオはすでにいつもの席――モニターの正面で若干距離のある場所――に座っている。  ドアが開き、メディコとティナが一緒にやってきた。  ティナがウインクしてくる。しかし、先日のように楽しげではない。飲みに来たわけではないからだ。  最後にフェルムも現れる。彼もいつもと違い少し緊張した感じだ。  時計を見ると、22時ジャスト。神代が指定した時間になった。  セオに目配せされ、リュウはモニターや通信機器のスイッチを入れる。  神代の姿が映し出された。  「次は麻薬のシンジケートを叩いてもらおうと考えている」  おそらくカメラの方を向いているのだろう。神代が真っ直ぐにこちらを見ながら言った。怜悧な眼光で感情を推し量ることはできない。  「珍しいな」とセオが静かに応える。「いつもは個人名を並べるところだが、今回は組織か」  「個人名を特定できるところまできていない。現在私の息のかかった者達が情報収拾を行っているが、実はその動きもまた探られているようでね。慎重に進めさせている」  珍しく顔を顰めながら神代が言った。  「警察官僚の間で権力闘争か? あんたがPunishersの統括者になっているなんていうことがわかったら、失脚を望んでいるヤツは大喜びだろうな」  セオが淡々と訊く。
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