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 「偉そうにどこかで待ってるのか。じゃあ、脅しをかける必要があるな」  徳松が部下の西脇と館山に目配せした。そしてローガンに向かって笑顔で頷く。  すると、乱入してきた者達の右手側にあるコンテナが開いた。そこから風のように速く6人の男が飛び出してくる。皆同じ服装――濃紺の迷彩服――で、それに包まれた体は屈強そうだ。手には通常よりかなり太い警棒を持っていた。腰には拳銃が見える。  「あれが、あんたがカナダから呼び寄せた兵隊(soldier)か?」  ローガンを見る徳松。  「そうです。マフィアからスカウトしました。元軍人、元警察官など戦える者達です」  得意げに応えるローガン。  「じゃあ、こっちも負けてはいられないな。西脇、館山、いいぞっ!」  徳松が怒鳴るように指示を出すと、反対側のコンテナが開いた。いつの間にか名を呼ばれた2人もそこに立っている。そして中から4人の男が現れた。全員黒いコンバットスーツにサングラス。腰には大きめのサバイバルナイフがつけられている。そして手には鎖分銅――鎖の両端に分銅をつけた武器――を持っていた。それを回し始める。最初は緩やかに、そして次第に素早く……。  「あれがあなたのcommando(攻撃隊員)?」  ローガンが楽しそうに徳松を見る。  「ああ。うちが表でやっている事業の一つに、警備会社がある。西脇と館山はそこの格闘術の指導教官だ。部下の中で特に役に立ちそうな者には裏の仕事もさせている。あの4人はその中でも特に腕が立つ。鎖分銅にナイフ、もちろん銃も扱う」  今度は徳松が自慢げに言った。  「むっ!?」  敵側の佐山と金田が目を見開き顔を見合わせる。配下の者達も浮き足立っていた。人数は明らかに彼らの方が多いのだが、突然のことであり、更に現れた者達の異様な雰囲気に呑まれかけている。  「おまえ達が今日仕掛けてくることは、わかっていたんだよ。残念だったな」  「だまれっ! 後悔するのはおまえらだっ!」  徳松の声かけに激高する佐山。金田も「やれっ!」と部下達に指示を出す。  とたんに銃声が数多く響き渡った。
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