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ローガン配下の者達はさっと散開すると、銃撃を巧みに躱しながら敵に向かっていく。
無駄撃ちはしない。乱れ撃ってくる敵の合間を縫うように、的確な射撃で仕留める。
更に、近くまで迫った者達は、極太の警棒を振るい次々と相手を打ち倒す。
敵の方は悲惨だった。ある者は頭蓋を割られ、またある者は一撃で首を折られた。何度も胴や胸を打ち据えられ血ヘドを吐く者もいる。
徳松の部下達も反対側から攻撃を始めた。素早く四方に分かれると、鎖分銅を振り回しながら襲いかかる。
分銅を飛ばして相手の額を割る者、鎖を首に絡みつかせて締め上げる者、足首に巻きつけて引き倒す者……。
様々な攻撃をし、最後は大型のサバイバル・ナイフでとどめを刺す。首を斬り裂き血飛沫を上げさせる。心臓を一突きする。腹を裂いて臓物を垂れ流させる――やり方もまたそれぞれ違うが、同じなのは皆無表情なことだ。
西脇と館山は銃を手に、やはり最低限の射撃で敵を無力化する。そうしながら、部下達の働きを満足そうに眺めた。
あっという間に、相手は佐山と金田だけとなる。
ローガンの配下も徳松の部下も、1人も欠けていない。圧倒的な戦力差だった。
呆然とする佐山、金田。恐れを成し、反撃する気力は失せている。
徳松は彼らにつかつかと歩み寄ると、西脇から銃を受けとり2人に向けた。立て続けに撃つ。
「ぐあっ!」「がっ!」
佐山、金田がそれぞれ肩を押さえながら呻き声をあげた。
「とりあえず生かしといてやる。帰って荒と野田に伝えろ。おまえらの時代は終わった、とな」
2人が這々の体で逃げていく。
その後ろ姿を見ながら、徳松とローガンが笑みをかわした。
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