変わらない日常で、2人は

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 「そうそう、合コンの話。」  「はい。」  「わたしねー、親にとっとと結婚しろって言われてさぁー。ちょっと前まではそんなこと一言もいわなかったのにね。で、合コンしたの。同僚5人連れて。んで、残ったの。私1人だけ。おかしくない?6対6なのに相手側で1人も残ってないの。同僚の1人が2人お持ち帰りして、私だけ残ったの。ねぇ、おかしくない?」  「まぁ、それぞれ嗜好がありますし、仕方ないのでは?」  というやりとりがこれで4回目。最初は親身に聞いて、あーだこーだと慰めの言葉が出て来たが、もうネタ切れである。  普段はここまで深酒をすることはなかった。余程堪えたのだろうか。    「珍しいですね。」  「んんー?なにがー?」  「いえ、普段の天使さんだとここまで落ち込むことはなかったな、と。グラス片手にケラケラと笑っている姿が印象深いので。」  「あら、あらあら!私のことちゃんと見ててくれてるのね!嬉しいわ。」  「いえ、仕事ですので。」  天使の顔がパァッと明るくなって、悪魔の一言でケッと口をヘの字に曲げた。コロコロと変わる表情は、見ていて面白い。  「なぜそこまで落ち込む必要があるんですか?次を探せば良いことなのでは。千差万別、天使さんを気に入る者も必ずいるでしょう。」  「知ったふうに言うもんじゃないわよ。悪魔と違って、天使はフワッとした感情で生きてるの。いいなって一瞬でも思ったら、それはもはや恋なのよ。つまり、合コンして、相手をいいなって思えたら、それが第一候補でなくてもお試しで付き合っちゃう?って話になるの。だから、天使だけの合コンでカップルが成立しない可能性はほぼ0なの。おい悲しくなること言わせんなよばーか。」  「…お疲れ様です。」    つまり、この天使は合コン相手から一瞬もいいなと思われなかったということか。確かにそれは堪える。
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