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『司さんに、少しくらい家族の時間を取るように私から言いましょうか?』
午前中だけ来てくれる家政婦の一美さんの言葉を思い出す。
彼女の言葉に俺は首を横に振った。
『司は忙しいからさ。それに、初めからそういう話だったし』
――子供たちに愛情を注いでくれたら、それ以外はなにも望まない。
俺が司にした最初で最後のお願い。
(司は当初の約束通り、休みの日は子供たちと遊んでくれる)
週に一度の平日。司は深知と千絢と遊んでくれる。だから、不満なんてない。
俺たちが結婚したのは、愛し合ったからじゃない。
――事故で番になってしまったからだ。
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