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数日後。
私は、実君の無罪放免祝いに、彼の下宿を訪れていた。
ようやく、彼との日常が再開するのである。
喜ばしいことだ。
・・・・・・
日常・・・・・・?
あれ、私って、実君と普段何してたっけ?
おかしいな、実君との記憶は、彼が逮捕されて以降のものしかない。冥さんや、永好との思い出はあるのに。
不死身のことは思い出したのに、まだ記憶に穴がある気がする。
戸惑う私の思いが顔に出ていたのか、実君が無邪気に聞いてきた。
「どうしたの?何か気になることでもあった?」
私は、振り払うように、誤魔化して話を変えた。
「ううん、それにしても、無実が証明されて良かったね。」
すると実君は、表情を変えずに言った。
「何言ってんの?事件の犯人は僕だよ?」
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