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しかしエラエンは結局、それらを自分で食べることはなかった。
「オーエン、サントス、パラ、ウルブス。きなさい。チーズがあるのよ」
四つに等分し、朝と同じように、自分の口に入れずに、食べたふりをして、弟たちに振舞った。
よくよく考えれば、自分にはもう必要のないものだということが分かったからだった。
それよりも最後に見たいものがある。
サントスとパラが、
「姉さん、こんないいもの、自分一人でこっそりと食べようとしていたんだろう」
「そうだろう」
と囃した。
エラエンは、
「そうなの。そんなことをしても、ちっとも楽しくないのに」
と言って、ごちそうに心底はしゃぐ弟たちを見て笑った。
エラエンの手のひらには羽があふれていた。
しかしもう、料理のために無理にちぎり取る必要はない。
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