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PM9:05。所定の位置に着く。
えびす町と呼ばれているこの地方随一の歓楽街。その街角に半袖と短パンで立つのはいかがなものかと思わなくもないが、気にしてなんていられない。
半年ほど前、会社の飲み会のためだけにこの街に来た。上司は酒乱でねちっこいから憂鬱極まりないが、"お付き合い"なのだから仕方がない。
一次会で辞した僕は駅に向かって歩いていた。
駅まであと少しという場所でいかがわしい占い師が声をかけてきた。
「ちょっとお待ちなよ、そこのお兄さん」
歩道沿いに設えた小さな屋台。
無視を決め込み、スルーしようとしたが、次の瞬間、本名で呼ばれたので足を止めるしかなかった。
「何故、僕の名前を知ってる?」
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