5/5
前へ
/33ページ
次へ
「そうだ。使えば使うほど残念ながら電気代だけはかかってしまう」  そんなの当たり前だ。スマホだって充電はする。充電にかかる金額を今まで意識したことがない。 「買う」  言ってしまった。ほとんど表情の読み取れない占い師の口角だけが上がったのが分かった。  その表情が気にかかりはしたが、たかが百円のことだと割り切ることにした。  何の書面にサインもしていない。騙されたと分かったら捨てればいいだけのことだ。  百円硬貨一枚を支払い、手にしていた腕時計を受け取った。袋にエンジェルと印字されていた。 「エンジェル? 機種名か?」 「今から説明してやるよ」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加