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 ほらみろ。  でも立ち上がり、すぐに違和感があった。視線が低い。腕を見る。肌のキメが細かい。いや、腕自体が細い。  慌てて洗面所の鏡の前に立つ。  肩の露出した白色のドレス。ドレスの背中には小さいながら羽根もついている。当たり前だが意識してみても動かない。頭の上に輪もなく、髪型はツインテール。  エンジェル? 天使? ちょっと詰めが甘くはないか? 僕のイメージだと男の子か女の子か分からないくらいの子供で、頭の上に輪っかがあって、ちょっと癖っ毛で。  いや、この際そんなことはどうでもいい。  改めて鏡に顔を寄せる。美少女だ。見たこともないくらい。  手で顔を触る。鏡の映る姿も寸分違わず同じ動きをする。
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