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終末世界
僕らが暮らすこの世界、地球は今、未曾有の危機に陥っている。
突如として各地に出現した未知の建造物、迷宮によって。
ダンジョンが初めて現れたのは、今からおよそ四年前。
僕がまだ13歳の時だった。
東京の中心になんの前触れもなく出現したタワーは最初こそ動きを見せなかったが、調査に乗り出した自衛隊が扉に触れた次の瞬間。
ひとりでに開いたダンジョンの扉から溢れ出したおぞましい姿形をした化物により、数万人が食い散らかされていった。
更に最悪な事に、その現象は世界各地で同時に起きていたらしく、翌日には約10万人が犠牲となり、数週間後には人口が一割ほどまで減。
四年経った今となっては、僕の知る限り数千人しか生き残っていない。
もしかしたら他にも生き残りは存在しているかもしれないが、それを知る為には東京から脱出しなければならなく、まず不可能だろう。
僕達に出来るのは終末の獣から身を隠し、見つからないよう物資を調達するくらいのもの。
戦うなんてもっての他だ。
銃弾や刃物どころか爆弾すら効かない相手と戦う術なんてない。
もし見つかったりでもしたら、きっと僕達は死ぬ覚悟を固める暇すらなく奴らに────
「───キ。 ──ウキ! おい──結城! 何ボーッとしてんだよ、お前! ちゃんと説明聞いてんのか!?」
「……!」
ハッとして頭を上げると、見知った面々の顔が目の前にあった。
僕の所属する第三物資調達班のリーダー、鹿原真司。
そして紅一点である井塚珊瑚。
幼なじみ二人の見慣れた顔だ。
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