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「結城、どうしたの? 体調でも崩しちゃった?」
「ご、ごめん。 なんでもないから気にしないで」
申し訳なさそうに謝ると、真司はヤレヤレと肩をすくませる。
「全く、しっかりしてくれよ。 今日は久々の探索なんだ。 今からそんな調子じゃレヴナントにパックリいかれちまうぜ?」
「ちょっと、真司! そんな言い方ないでしょ! 結城が可哀想じゃない! ……ねえ、本当に大丈夫なの? なんなら今日の探索は見送っても……」
「そういう訳にはいかないよ……もう物資も残り少ないんでしょ? なら行かなきゃ」
「それはそうだけど、でも……」
心底してくれるのは嬉しいけど、レヴナントが比較的少ない今日行かなきゃ、次にいつ探索するチャンスがあるかわからない。
やれる時にやる。
それがこの世界で生き抜く為に最も大事な鉄則だ。
「珊瑚、結城が行くって言ってんだ。 やらせてやれよ」
「そうそう、やらせてやりなよ珊瑚ちゃーん。 役立たずも役立たずなりになんかしてぇんだって。 まっ、囮ぐらいしか役に立たないだろうけどなー!」
「確かにー!」
「ひゃはははは!」
相変わらず第一物資調達班の奴らは嫌みな連中ばかりだ。
あの目障りなロン毛、引きちぎってやりたい。
そんな度胸が俺にあればの話だけど。
「結城、ちょっと待ってて。 あいつらぶっ殺してくる」
そう言って立ち上がった珊瑚は、ホルスターから取り出したハンドガンの安全装置を外し、トリガーに指をかける。
やばい、本気で殺すつもりだ。
瞳孔の開いた両目がそれを物語っている。
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