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「ま、待って珊瑚! 殺すのはダメだって! 追放されちゃうよ!」
「離して、結城! あいつら殺せない!」
パンパンパンッ!
「げっ! あいつマジで撃ってきやがった! イカれてんのか!」
「ヒイイ!」
「こらー! 逃げるなー! よくも私の結城をバカにしてくれたわね! 絶対、絶対! あんたらの命で償わせてやるんだから覚悟しときなさいよ! ぶっ殺してやるー!」
「はぁ、まったく……」
そんなこんなで二時間後。
再び合流した第一班と共に、俺達は防空壕を出立。
未だ怒りが収まらない珊瑚を宥めながら、まだ探索してない数キロ先のビルへと歩を進めていく。
「結城、大丈夫? 疲れてない?」
「うん、僕はまだ大丈夫。 珊瑚こそ疲れてない? 辛かったら言ってね、肩貸すから」
「ブッ!」
何故急に鼻血を……貧血とかじゃないよね。
「どうしたの、珊瑚! なんか急に鼻血吹き出たけど、なんかの病気!?」
「だ、大丈夫よ……尊みに心臓を撃つ抜かれただけだから問題ないわ」
よくわからないが、大丈夫そうなので放っておく事にしよう。
「チッ、役立たずのくせして」
「ムカつく野郎だぜ」
と、第一班の連中の視線から逃れるよう、目を背けていたら、真司が何かに気づいた。
「ん……? 待て! 全員、壁に身を寄せろ!」
言われた通り、全員一斉に崩落した壁や壊れた車の影に身を隠す。
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