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序章
「来たわね。『恋愛の神様』」
「貴女までやめて下さい 怒りますよ」
城主は茶色の瞳を怒らせて、むーっと餌袋にドングリを入れたリスのように頬を膨らませた信繁に、心の中で大爆笑をした。
優秀な真面目すぎる部下『信繁』は、最近とある事情で「恋愛の神様」というちょっと素敵なアダナで男性職員より呼び奉られている。
『面白い! 面白すぎだわ〜!!』
堪える余り横腹が痙攣しそうだ
「城」を統べる所長、最高責任者である彼女
〜秘密の本名「紫」の特技は決して内面を外側、外見に現さないことである。
『城』は国際的に極秘~いや公然の秘密でもある伝説的特殊収容施設、監獄がジャパンにある。
通称『城』”シロ”
全ての権力を握る最高責任者、所長は隠語で『城主』~シロヌシと呼ばれている
霊峰富士の裾野、『樹海』亜空間に設置され第4次元 第5次元にある銀河トップシークレットの収監施設だ
この世の全ての情報が集まる場所とされ時空と時空の狭間の高次元帯に設置設営の特異性のため『超法規的な治外法権の場所』と定められている
かつてエゴイスティックな超大国達からの、どうしても拒否できない圧力から追い詰められたジャパン政府が、平和主義を是とする現行法さえ改正してまで建てられた特殊施設
設備は完璧を期す為徹底してどんな国の思惑の攻撃も拒絶できる威力、ありとあらゆる軍事的防護システムが構築されている。
例えばジャパンの工学と生物学の粋・秘密生物兵器
『黒龍』『白龍』に代表される異形の怪物〜龍達怪獣だ。
また『城』実験研究室内の人造巨大クリスタル球に照射される 驚異の『転送移植』技術。
この特殊施設の誇る切り札的秘宝だ。
表向き 収監者は『全員曰く付きの人物』
収監そのものは各国ごとの個別の契約制、莫大な契約料を交わす取り決めだ。
〜それと引き替えにしても構わない、為政者にとって自国に置いておく事も、殺害する事も出来ない人物が送り込まれる。
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特殊収監収容施設〜もとい究極の監獄の、まことしやかな「この噂」
実は銀河連邦の子どもを持つ親達にとって、この世の、銀河の何処かに存在するという『恐怖の館』、謎めいた施設があるという噂話は、ある意味大層ありがたい存在だった。
というのも大人にとってキッズが、どうにもこうにも手に負えない『悪戯』
腕白すぎたり、もしくは夜中にキャイキャイ興奮し過ぎると困る事この上ないのだ。
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